お金のこと

金は夫婦の存続において最も重要なものの一つだ。金がらみの些細な口喧嘩が離婚に発展するなんて話はそこら中に転がっている。それが貯金をするしないの話だったりするんだから金というのは大層な身分だよ。実はこの手の問題の回避には婚前契約が大いに役立つ。結婚する前から、生活するにあたっての家計負担結婚前までの財産や負債将来の資産運用死後の財産分与などを盛り込んでおけば、財産についての価値観を共有することができるだろう。結婚前は仕事をしていた妻が結婚後も仕事を続けるのか、それぞれ収入のどれくらいを家計に入れるのか、家計の管理は誰が行うのかなどを話し合っておくことも大切だ。結婚前から持っていた互いの固有の財産と、結婚後に築いた共有の財産の区別が曖昧になりトラブルに発展するケースもある。その辺りも整理して契約に盛り込めば不要なトラブルを回避できるだろう。

それから一方が亡くなった時のことも考えておいたほうがいいな。相続について何らかの意思があれば遺言書が必要になる。婚前契約書に遺産についての記載があっても、遺言書の形式を満たしていない限り遺言書としての効力はないから注意が必要だ。婚前契約には遺言書の作成時期などの内容を盛り込む手もある。

ビジネスと同じように人生にもリスクヘッジが求められる。そのためのツールとして婚前契約は大いに役にたつはずだ。いずれにせよ金についての明確なビジョンを共有しておいて損はないだろう。

婚前契約の文例「お金のこと」

家計負担

  • 夫婦はそれぞれの収入の○%を家計にいれ、その合計金額で生活をします
  • 夫の収入で家庭を運営しますが、その分妻は家庭内の仕事をします。妻の家庭内の仕事は夫が心身ともに健康に働ける対価とします
  • 家計の管理は妻が全て行います
  • 個人使用、家庭使用に関わらず○万円以上のものは相談をして購入します

結婚前までの財産や負債

  • 各自の固有財産(婚前から持っていた財産や自己名義で得た財産)は各自が管理し、お互いの許可なく売却等はしません
  • 夫婦で協力して得た全ての財産を夫婦の共有財産とします
  • 結婚前からの負債は相談の上、共有財産から返済します

これからのお金

  • ○年後までに○円の貯蓄を目標とします。そのために夫婦は協力をします
  • 毎月のお小遣いは夫が月○円、妻が月○円。以後、収入や状況を考え話合いによって変更可能とします
  • ボーナス等の使い方は各自のボーナスの○割以内を各自の固有財産にし、その他は共有財産とします

死後の財産分与

  • ○歳になったらお互い遺言書を作成し、○年ごとに内容を見直します
  • いずれかが死亡した場合共有財産の2分の1を相手側に分与します